IT系ニュース(2025年4月)
この記事では「データサイエンス系」や「プログラミング系」などの分野について、最近のニュースや気になったことなどをご紹介します。
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データサイエンス系の話題
人工知能に関連した話題をご紹介します。
DeepSeek
DeepSeekが発表されて以降、さまざまなニュースが飛び交っていますよね。
DeepSeekはオープンソースで公開され低価格で利用できるので、発表時はとても驚きました。老舗のChatGPTとはこのようなところで差別化しているんだろうなと思っていました。
そのような中、ネットで次のような記事を見かけました。
この記事によると、OpenAI社のような従来のAI企業はサブスクとAPIサービスで収益化していますが、DeepSeekでは個人は無料、企業からは「APIサービス」「カスタマイズサービス」「コンサルティングサービス」で幅広く課金する、というモデルのようです。
DeepSeekは当初技術的な部分に注目していましたが、このようなビジネスモデルまで踏み込んだ製品設計にしているんですね。
また、オープンソースであることもAI市場に変化を与えているようです。
DeepSeekの破壊的な推論能力 自治体にとって“転換点”だと言えるワケ
この記事では、オープンソースにより自治体での利用が加速しているということです。ローカルで動作してかつオープンソースのAIというのは自治体にとっては非常に魅了的ですね。自治体に限らず、オープンソースなので中小企業など投資が難しい団体の利用も進んでいくのではないかと思います。
このようなDeepSeekですが、中国からさらに性能を上回る言語モデルの発表がありました。
32Bなのに「DeepSeek R1」フルモデルと同性能? アリババがAIモデル「QwQ-32B」公開
こちらの言語モデルはApache 2.0ライセンスで公開されていますので、DeepSeelのローカルLLMと同様に自治体などが安価にローカルなAIの導入が可能です。
AI市場は当初アメリカがかなり先行していましたが、ここにきて中国が追い上げていますね。
とはいっても日本にも頑張ってほしいですよね。
プログラミング系の話題
プログラミング系について、2つの記事をご紹介します。
暗号の2030年問題
コンピュータの世界では定期的に「〇〇年問題」というニュースが流れています。
その中でも最近は次のように「暗号の2030年」問題というニュースを多く見かけるようになりました。
暗号の2030年問題とは、現在使用している暗号はコンピュータを使って解くことができますが、処理時間が非現実的なので実質的に安全に利用されています。
しかし、量子コンピュータでは話が違って、従来のコンピュータでは解けなかった問題が現実的な時間内で解けるようになってきたため、暗号の解読も容易になってくる、という危険性が指摘されています。
量子コンピュータは2030年ごろに実用化が見込まれているため、これが暗号の2030年問題、と呼ばれているようです。
この状況に対抗すべく、新しい技術の開発が進んでいるようです。これからは暗号化技術と量子コンピュータ技術の競争という感じになってきますが、暗号化技術が先に解決されてほしいですね。
乱数発生機
プログラムで乱数を扱ったことはあるでしょうか?
どのプログラミング言語でも乱数を発生する関数は用意されていますが、その乱数は計算しているので完全な乱数ではないんです。
最初に数字を決めて、その数字をある計算式で計算した結果を次の数字にして、その数字をさらに計算式で計算して…ということを繰り返して「擬似的な」乱数を発生させています。
ただ、最初に決める数字が違うと、そのあとで計算される数字が異なるので、通常は最初に数字をその時の日時分秒などを数値化して利用しています。
ところで、何かのシミュレーションをするとき、このような擬似乱数ではパターンが出てきてしまうため、本当の乱数を発生させるためにいろいろな乱数発生機が開発されています。例えば雑音を利用するものなどです。
この乱数発生に関して、Cloudflare社が発生した波を利用して乱数を発生させる装置を設置したそうです。
「真の乱数」を生成するためにCloudflareが波マシンを設置
液体が入った容器をゆっくり振動させて発生する波を撮影、そこから乱数を発生するそうですが、自然現象をうまく利用した発生方法ですよね。
でも、波もある程度周期性があるので、真の乱数かどうかはちょっと?という気もします。
真の乱数発生は難しいような気もしますが、最近次のニュースがありました。
「本当の乱数」実現か? 量子コンピュータで予測困難な乱数生成に成功
量子コンピュータで乱数を発生とのことで、もしかしたらこのあたりに真の乱数を発生する鍵がありそうな気もします。
電子や光子など、微小の世界では物質は量子性をもち、観測するまでは物理量が確定しておらず、例えばスピンであれば50%の確率で右回りか左回りか決まる、という不思議な性質を持っています。
このような量子の性質を利用すると、ランダムで偏りのない乱数が発生できる、ということなんでしょうかね。
真の乱数発生は従来からいろいろ工夫されていますので、他にも調べてみると面白いと思いますよ!